DXを進める際、どこから始めれば良いか迷うことがあります。
そこで、データに注目した7つの実践パターンを記載します。
ぜひDXを進めるヒントに役立ててください。
1. モノのデータ活用
センサー(感知器)を使って、機械や設備が出すデータを集め、分析して、業務やビジネスに役立てること。
具体例
- 製造業での活用
工場の機械にセンサーを取り付けて、温度や振動などのデータをリアルタイム(即時)に監視する。これにより、故障の予兆を早期に発見し、メンテナンス(保守点検)を計画的に行うことで、生産性を向上させる。 - 農業での活用
農地に設置したセンサーで土壌の湿度や気温を測定し、データを基に最適な灌漑(かんがい:水やり)や施肥(せひ:肥料やり)を行う。これにより、作物の品質と収量を高める。
2. 人のデータ活用
人が日常的に生み出す大量のデータを収集し、分析して、業務やビジネスに役立てること。
具体例
- 健康管理
スマートウォッチ(腕時計型の電子機器)で心拍数や歩数などのデータを収集し、健康状態の管理や運動習慣の改善に役立てる。 - マーケティング(販売戦略)
顧客の購買履歴やウェブサイトの閲覧履歴を分析し、個々の嗜好(しこう:好み)に合わせた商品を提案することで、売上を向上させる。
3. 画像・音声のデジタル化
画像や音声をデジタルデータに変換し、編集や加工を行うことで、新たな価値を生み出すこと。
具体例
- 自動運転
車に搭載したカメラで道路状況を撮影し、画像データをリアルタイムで分析することで、安全な運転を実現する。 - 音声アシスタント
音声認識技術を使って、ユーザーの声をテキスト(文字)に変換し、質問に答えたり、操作を行ったりする。
4. 有形物のデジタル化
物の形状を3次元データに変換し、構造の分析やシミュレーション(模擬実験)、製造・復元などに活用すること。
具体例
- 建築分野
建物を3Dスキャン(立体的に読み取ること)してデジタルデータ化し、耐震性の分析やリフォーム(改装)の計画に役立てる。 - 文化財の保存
歴史的な彫刻や建造物を3Dデータ化し、デジタル上で保存・復元することで、後世に伝える。
5. デジタルコンテンツ活用基盤
散らばっているデジタルコンテンツ(情報や資料)を集めて保管し、流通や再利用を支援する仕組み。
具体例
- 電子図書館
書籍や論文をデジタル化し、オンラインでアクセスできるようにすることで、多くの人が簡単に情報を得られるようにする。 - 企業のナレッジベース(知識基盤)
社内の資料やマニュアルをデジタル化し、社員が必要な情報をすぐに検索・利用できるようにする。
6. 経済的価値の交換
お金と同じような価値や特典を、仮想的に交換すること。
具体例
- ポイントプログラム
買い物をするとポイントが貯まり、そのポイントを使って商品を購入したり、サービスを受けたりする。 - 仮想通貨
インターネット上で使えるデジタルなお金で、物やサービスの購入に利用される。
7. 付加価値データの有償提供
価値の高いデータや情報を、有料で提供すること。
具体例
- 市場調査レポート
特定の業界や市場の動向をまとめた報告書を販売し、企業の戦略立案に役立ててもらう。 - 気象データの提供
気象情報を詳細に分析し、農業やイベント運営などに必要なデータを有料で提供する。
これら7つの実践パターンを理解し、適切に活用することで、
DXを効果的に進めることができるようになっていきます。