昨今ではいろいろな技術が、以前とは違った形で普及するようになりました。
特に、「技術の逆転現象」と言われる現象が起きています。
技術の逆転現象とは、もともと軍事や産業、学術の分野で開発された高度な技術が、
一般の企業や消費者向けに転用される現象です。
以前は、軍事技術が一般企業に広がることが多かったですが、
現在は逆に、消費者向けの技術が企業や軍事に応用されることが増えています。
「技術の逆転現象」が目立ち始めたのは、2000年代後半からです。
これは特に、スマートフォンが普及し始めた2007年以降、顕著になっています。
このように、時代が加速度的に変化していく中で、企業は今後、
どのようなことに着目していけばよいでしょうか?
その具体的な4つの流れについて見ていきます。
1. 社会産業のデジタル化
社会の産業(工業や農業など)が、デジタル技術を使って新しく変わっています。
特に「3Dプリンター(デジタルデータを使って立体の物を作る機械)」や、
「ドローン(人が乗らずに空を飛ぶ小型の飛行機)」を利用した新しいやり方が注目されています。
具体例
- 3Dプリンターの利用
- 医療の分野では、患者さん一人ひとりに合わせた人工の骨や歯を3Dプリンターで作っています。
従来よりも早く、正確に作れるため、医療の現場で広がっています。
- 医療の分野では、患者さん一人ひとりに合わせた人工の骨や歯を3Dプリンターで作っています。
- ドローン配送
- Amazonは、小さな荷物をドローンで届けるサービスを始めています。
GPS(人工衛星を使って地球上の位置を正確に知る技術)を利用して、
自動で目的地まで運ぶことができます。
- Amazonは、小さな荷物をドローンで届けるサービスを始めています。
2. 顧客との関係のデジタル化
企業と顧客の関係もデジタルによって大きく変わっています。例えば「SNS(インターネット上で人々が交流するサービス)」を使って、顧客が自由に意見や感想を伝えたり、商品をネットで調べてから買い物をする「ショールーミング(お店で商品を見てからネットで安く買う行動)」が広がっています。
具体例
- ショールーミングの例
- 家電量販店で実際の商品を見て、使い心地を確かめてから、
スマホでインターネット通販を利用して、
安い価格の店で購入する顧客が増えています。
- 家電量販店で実際の商品を見て、使い心地を確かめてから、
- SNSでの顧客対応
- ユニクロは、X(旧Twitter)などで顧客の質問にすぐ答えたり、
商品の意見を聞いたりして、顧客と直接つながる活動を行っています。
- ユニクロは、X(旧Twitter)などで顧客の質問にすぐ答えたり、
3. 組織運営・働き方のデジタル化
デジタル化は会社の働き方や組織の運営方法にも大きく影響を与えています。「リモートワーク(自宅など会社以外の場所で働くこと)」が増え、「オンライン会議ツール(ネット上で顔を見ながら会議を行う仕組み)」を使うことが当たり前になってきました。
具体例
- リモートワークの広がり
- 日本でも新型コロナウイルスの影響で多くの企業が在宅勤務を始めました。特に、パソコンさえあれば仕事ができるIT企業などで急速に広がっています。
- オンライン会議の活用
- Zoom(ズーム)やMicrosoft Teams(マイクロソフト・チームズ)などのアプリを使って、日本だけでなく世界の別々の場所にいる社員同士が簡単に話し合いができるようになりました。
4. デジタル化に対応したビジネス創造
新しいデジタル技術を活用して、今までになかったビジネス(お金を稼ぐ仕組み)が生まれています。例えば、「サブスクリプション(定額料金で商品やサービスを使い放題にする仕組み)」や「シェアリングエコノミー(個人が持っているものをインターネットを通じて他人と共有する仕組み)」といった新しい考え方が登場しています。
具体例
- サブスクリプションの成功例
- 動画を配信するNetflix(ネットフリックス)は、月々の定額料金を払うと映画やドラマが見放題になり、多くの顧客が利用しています。
- シェアリングエコノミーの例
- Airbnb(エアビーアンドビー)は、自分の家や部屋を旅行者に貸し出すサービスです。世界中の多くの人が、自宅の空いている部屋を貸すことで収入を得ています。
なぜ企業はこれらの変化に対応すべきなのか?
これら4つの流れを理解し対応することで、企業は今までより効率的に仕事ができるようになります。
また、新しい技術を取り入れることで、今までになかった商品やサービスを提供し、
顧客の満足度を高めることもできます。
具体的に企業が対応すべき4つの分野は、次の通りです。
- ビジネストランスフォーメーション(デジタル技術を使って仕事のやり方や仕組みを大きく変えること)
- 例:紙で行っていた作業をデジタル化すること
- カスタマーエンゲージメント(顧客がデジタルを利用しているのに合わせて、企業もデジタルで顧客との関係を深めること)
- 例:SNSでの顧客サービス
- フューチャーオブワーク(デジタル技術を使った新しい働き方や組織の運営方法)
- 例:オンライン会議やリモートワークの導入
- デジタルエコノミー(デジタルを基本にして新しいビジネスを作り出すこと)
- 例:インターネットを利用した新しいサービス(NetflixやUberなど)
企業は、これらの取り組みを行うことで、DXの進むべき道が見えて来ると考えられます。